2023年 07月 16日
8/4公開🎊ゲキ×シネ『薔薇とサムライ2−海賊女王の帰還−』の映像監督Lilyさんより、ファンの皆さまへの熱いメッセージを頂きましたのでぜひご覧ください! 『薔薇とサムライ2ー海賊女王の帰還ー』ゲキ×シネ制作について はじめに 12年前、ゲキ✕シネ「薔薇とサムライ」を見た時の稲妻は未だ忘れられません。「舞台」というものに明るくなかった私は、オープニング早々、自分の身体に錨を下ろされたかのようにアンヌの海賊船に占領されました。船が縦横無尽にまわる舞台セット、荒れ狂う海が映し出されたスクリーンとマッチさせた演出、そして天海さんを筆頭に役者一同が左右に動いて海賊船の疾走を表現する姿は衝撃の体験でした。 あれから時が経ち、ゲキ✕シネ「薔薇とサムライ2ー海賊女王の帰還ー」の監督を任命された際、自分が1を観た時に強烈に感じた、舞台という巨大生物をいかに映画にするかを鍵としました。 舞台は、役者+スタッフの全総力で生み出される生き物 舞台でしか味わえない生感、それを劇場で観た方も体感できるよう、舞台の良い部分を映画仕立てに撮影・編集して、魅力を引き出そうと試みました。 バンドチームが後ろにいて、音楽は生演奏なんだ! 装置が回っているのは、美術さんらが動かしているからっ。 衣裳は、デザイナーさんの感性の豊かさが爆発していて、 役者の細かな演技は、演出家がことこまかに指示を入れている。 主演だけでなく、舞台にあがった全ての役者らもたっぷり映しているのは、舞台は彼らがあってこそ。舞台にあがる役者さん全てが主人公のつもりで。 私自身が舞台を見た時に感動したポイントを思う存分、映像に込めています。 GEKI×CINEをリアルな映画へ テクニカルな話 舞台という生き物を、シネマチックな作品として再構築するため、技術的に ①撮影技法 ②編集 ③カラーグレーディング ③ドルビーサウンド ⑤アスペクト比率 の5点にこだわりました。 ①撮影技法 従来の固定カメラのみでの撮影から、手持ちカメラマンを導入したことで、アクションシーンはよりキレのある俊敏さ溢れるカットに、ダンスシーンはより華やかさを際立たせた躍動感に満ちたカットを撮る事に成功しました。手持ちカメラが振れているカットを数秒はさむことで、殺陣や踊りの動きのある演技の勢いが加速します。今回、バンドチーム5名のそれぞれの部屋にカメラを設置したのも冒険。 ②編集 セレクトしたカットは、映画のルールに基づいたシネマティックなサイズのものが多いです。また役者さんの繊細な細かい表情を魅せるために、ダイナミックなフレームワークと奥行きが強調されるカットを抽出して繋いでます。舞台全体を映した引き絵と組み合わせることで、役者の緊張感ある演技がより明確になるよう編集しています。 ③カラーグレーディング 今回は登場する国や場面展開が多かったので、シーンごとの色味に意味をもたせました。 わかりやすい場所でいうと、宮殿でのパーティではロマン溢れるパステルピンクを散りばめた宝石のような色味に、製塩所はほこりがまうようなダスト感ある色味にして、映像のカラーからも舞台の位置関係がどうなっているか掲示しています。 ③ドルビーサウンド 今回ゲキ×シネの音は英国ロンドン、アビーロードスタジオで最終調整しました。ビートルズのアルバム「Abbey Road」のジャケットで世界一有名な歩道となった先にそのスタジオはあります。ピンク・フロイド、エイミー・ワインハウス、オアシス。映画音楽ではスターウォーズに、ロード・オブ・ザ・リング。数々の名作を収録している名門スタジオにて、セリフと音楽、そして効果音の3方向をミックスします。担当したのはマイクさん(つい最近ではリトルマーメイドを手がけ、その他007、キングスマンなど)の圧倒的なサウンドデザインは、ぜひドルビーシアターで堪能してほしいです。 ⑤アスペクト比率 これまで16:9、もしくはシネスコサイズが多かった画面のフレームサイズから、Univisiumと呼ばれる2:1サイズを採用しました。今回、階段のシーンで上下の演出があったり、登場人物でいうと特に五右衛門、ボルマンやマリアの頭の装飾が大きかったので縦のヘッドスペースを作り、舞台衣装の素晴らしさや等身大の演出が伝わるようにしました。 舞台を見たお客様にも、私がそうであったように舞台が近くなかったお客様にも、舞台の素晴らしさがゲキ×シネで伝われば幸甚です。この映画で皆さんがアンヌと一緒に大海原をかけめぐれますように。演劇×映画=GEKI×CINEに新たな息吹を。どうぞ映画館でお楽しみください。 監督 Lily Rinae
by geki-cine
| 2023-07-16 10:45
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